自社に最適な業務用エアコンの賢い選び方

オフィスや店舗に業務用エアコン(店舗用エアコン)を取り付ける際、値段だけではなく、環境や用途に合わせた機種を選んだ方が快適な環境を作り出せます。では、どのような点に注意して業務用エアコンを選べばいいのでしょうか?空調エキスパートでは、「容量(馬力)」「用途や機能」「業者」という観点から選ぶことをオススメしています。それぞれについて詳しく解説していきます。

業務用エアコンの選び方(1):容量(馬力)から選ぶ

エアコンを選ぶ際の第一のポイントが容量(馬力)です。家庭用エアコン(ルームエアコン)の場合は住宅での使用が中心となるため、消費者がイメージしやすいように「○畳用」という表記を用いますが、業務用エアコンの場合は面積だけでなく、「その空間内でどれだけの熱量が発生するのか」なども考慮する必要があります。この熱量を「熱負荷 (W)」といい、外皮(壁体や窓)や外気から、あるいは室内の熱負荷などを合計して算出し、時間最大熱負荷から空調機などの選定を行います。ただし、小規模な冷暖房工事や既存機器の更新工事の場合は、外皮の条件が不明であったり、詳細な熱負荷計算をする時間が取れなかったりすることも多いため、概略予算などの算定時に使われる単位面積当たりの概略熱負荷を利用して熱負荷を算出し、空調機の選定に使用しています。そして、この概略熱負荷を用いた「床面積(m²)×単位面積当たりの概略熱負荷(W/m²)=容量(W)」という計算式で対象となる空間に必要な容量のエアコンを算出することができます。

例えば100m²のオフィスでは面積当りの概略熱負荷が180W/m²とすると、以下のような式となります。

100m²×180 W/m²=18,000W(=18.0kW)

ただしこの数字はあくまでも目安です。面積は同程度でも常時滞在する人数や人の出入りの多寡、建物の階数、日当たり、木造かコンクリート造かといった条件によって熱負荷は変わってきます。また建物の条件は同じであっても、一般の事務所、ドライヤーやパーマ機器のような熱を発する機械がある理容室・美容室、火を取り扱う飲食店では熱負荷は変わってきます。容量から取り付ける機種を選択する観点は重要ですが、上述のように「用途」の観点も盛り込む必要があるので複雑な条件が絡み合ってきます。「計算方法がわからない」「条件が合っているのか不安」と感じる方は、専門家に相談することを検討してもいいでしょう。なお、当社でも業務用エアコンの選び方や取り付けに関するご相談を承っていますので、お気軽にご相談ください。

参考)業務用エアコン3つの選び方:https://kucho-ex.com/howto/

業務用エアコンの選び方(2):用途や機能から選ぶ

2つ目のポイントとなるのが「用途や機能」です。「2つの観点から知る『家庭用エアコン(ルームエアコン)と業務用エアコン(店舗用エアコン)の違い』」でも説明がありますが、業務用エアコン(店舗用エアコン)の室内機には、天井埋込カセット型や、天井埋込ダクト型、床置型などいろいろな形の機種が揃っています。また、工場などの大空間に設置する機種や、恒温恒湿室、クリーンルーム、電算センターなど様々な施設で設置される空調機も変わってきます。このように用途や設置される場所によって最適な形を選定する必要があります。また、人の手間を減らす、省エネ効率を上げる、空気の状態を改善する、特殊な環境下にも耐えられるなど、家庭用エアコン(ルームエアコン)より高性能な機能、あるいは家庭用エアコンには無いような機能が搭載されています。オフィスや店舗によってはこれらの機能を搭載するエアコンを取り付けることでより快適な空間を作り出せることもあるため、機能から機種を選択するというのもいいでしょう。設置される用途による機種の違いと注目の機能を幾つか紹介します。

●事務所や店舗、学校などに採用される機種

事務所や店舗などでは、現在最も多く採用される機種が天井埋込カセット型といわれる機種で、天井面にフェースが取り付けられ、直接冷風、温風が出てくる機種です。風が出る方向が4方向のもの、2方向のもの、1方向のものがあり、事務所などでは4方向のタイプがよく導入されています。

インテリアに凝っている店舗やホテルでは天井埋込ダクト型も多く採用されます。機器本体が天井の中に隠れていて風の吹出しや吸込みは制気口で行うため、内装デザインに合わせて位置や形を決める事が可能だからです。制気口には線状であったり壁付けのノズルであったりと様々な形状のものが揃っています。

また近年、熱中症の危険性が高まっている事などから公立学校でも冷暖房化が急速に進んでいます。学校の場合、後から設置することが多い、工事期間が限定されるなどの理由から、天井内に機器を入れる必要のない天井露出型が採用されるケースが多くなっています。

●病院や研究所などに採用される機種

病院や研究所でも一般の事務室や一般病室などでは天井埋込カセット型や天井埋込ダクト型が多く採用されます。ただし、空気の清浄度を保つ必要がある手術室や集中治療室、研究室などでは、HEPAフィルターという0.3 µmの粒子に対して99.7%以上の捕集率を持ち、空気の循環回数を保つことでその部屋の清浄度を上げられるエアフィルタが搭載できる機種が選定されます。また、クリーンルーム用パッケージというラインナップを製造しているメーカーもあります。なお、病院では院内感染の防止、研究所では研究室内の清浄度確保などの必要性から、室内の圧力を高く保ち、通路などからの空気の侵入を抑えるため、外気を室内に供給する外気処理空調機(パッケージ)の採用も必要となってきます。

●工場、体育館(大空間)などに採用される機種

工場や体育館などの大空間では、機械から直に吹き出される冷風(温風)は室内全体には行き渡りません。また天井高も高いことが多いため、天井上部からの温風の未到達や、無駄な熱負荷の処理などが発生します。そのため空間の上部の熱負荷は換気によって処理し、下層部分については設備用パッケージを採用してダクトを用いて必要な場所に送風する方法が多く採用されています。

このように、その用途や設置施設によって必要とされる機能は異なります。上記以外にも温度湿度を一定に保つための空調機や、低い温度帯に対応する機種、多くの油などを使用する厨房用など、さまざまな用途に対応する機種を各メーカーが製造しています。設置場所や用途を考慮した上で最適な機種を採用することが大事になります。

●用途や規模による室外機の選定について

話が少し逸れますが、建物全体や1フロア全体改修の冷暖房設備など大規模な計画検討する場合には、室内機同様、室外機も建物の用途や規模によって最適な機種を採用する必要があります。建物の広さや高さ、温度条件などによって個別店舗用パッケージ分散方式、ビルマルチ方式、冷凍機+ユニット型空調機方式など、室外機の選定も状況に応じて最適な方式は違ってくるため、専門家に相談しながら検討していくといいでしょう。

次に機能について、各メーカーが推している特徴的な機能をいくつかご紹介します。

●人の手間を減らす機能

人の手間を減らす機能として代表的なのが「自動お掃除機能」です。エアコンが自動的にフィルターを掃除してくれるので人の手を煩わせずに清潔な空気を維持できますし、電気代の節約にもつながります。自動お掃除機能は、三菱重工や三菱電機、日立、ダイキンなど多くのメーカーが採用しています。

ショッピングセンターや工場など複数の階層やエリアを管理する必要がある大型施設の場合には、ひとつのリモコンで複数のエアコンを管理できる「集中管理機能」が搭載された機種の導入がおすすめです。管理効率を上げると共に消し忘れ防止や、故障発生時の迅速な対応などができるようになります。

●省エネ効率を上げる機能

床の温度や人の動きに応じて自動的に温度や風量を調整する「センサー機能」が搭載されている業務用エアコンであれば、省エネ効率や節電効果の向上が期待できます。人感センサー機能を搭載した三菱重工の「エアフレックスパネル」や三菱電機のムーブアイ搭載機種などがあります。

●空気の状態を改善する機能

業務用エアコンの中には「空気清浄機能」「脱臭機能」「除菌・滅菌機能」が搭載された機種もあります。パナソニックであれば除菌・除臭、アレル物質を抑制する「ナノイーX」搭載製品、ダイキンであればカビ、細菌、ウイルスなどの有害物質を抑制・除去する「ストリーマ」搭載製品など、メーカーごとにオリジナルの空調機能を開発・提供しています。

●特殊な環境下での使用を想定した機能

海の近くの施設の場合、潮風によって室外機が錆びてしまう恐れがあるため、錆びや腐食に強い素材を使用したものや、特殊なコーティングを塗布するなど、「塩害対策」を施した製品の選択が必要です。また寒冷地の場合、外気温が氷点下まで下がるとエアコンの能力が低下するため、凍結防止のための塗装や、室外機用のヒーターが付いた製品、長時間の連続暖房運転が可能など、「寒冷地対策」されたエアコンを取り付けた方がいいでしょう。
変わったところでは、沖縄に納める室外機はヤモリ対策仕様が必須です。

業務用エアコンの選び方(3):業者から選ぶ

3つ目に紹介したいのが「業者」で選ぶ方法です。(1)と(2)のポイントが上手く把握できなかったとしても信頼できる施工業者の協力を得られれば、最適な機種を提案してくれることが期待できるでしょう。では、信頼できる施工業者を見つけるにはどうすればいいのか。その方法を4つの視点から紹介します。

(1)建設業許可を取得した空調設備業者か

業務用エアコンの取り付けには、天井への埋込取付、フロンガスの回収、既存機器の撤去・廃棄、配管工事、電気工事など、専門の技術と知識が必要な作業工程が求められます。そのため、家庭用エアコン(ルームエアコン)から業務用エアコン(店舗用エアコン)、設備用エアコン(パッケージエアコン)に至るまで、あらゆる種類のエアコンや空調設備・換気設備を取り扱う専門業者である「空調設備業者」に依頼すべきです。

一定規模以上の空調設備に関する工事を行うには、都道府県知事または国土交通省大臣が認可する「管工事業」「電気工事業」などの「建設業許可」が必要となります。また、これらの許認可は継続的な更新申請作業も行わなくてはなりません。このような対応をしっかりとできている施工業者を選ぶことが第一歩になるでしょう。なお、各許認可を取得できている企業か否かは、その会社のWebサイトを見れば確認できます。多くの場合「会社概要」のページに取得している許認可を掲載しているので、チェックしてみましょう。なお、当社でも各種の建設業許可を取得しています(https://kucho-ex.com/profile/)。

(2)事前の調査や提案を行ってくれるか

上述したように、同じ面積でも建物や部屋の状況、業種や用途によって最適なエアコンは変わってきます。改修工事や更新工事の場合、こうしたことは部屋の図面だけではなく実際に現地を確認し、専門家の目で調査を行うことが必要となります。そのため、相談をした際に「現地調査」をしてくれる施工業者を選ぶようにしましょう。現地調査を実施せずに見積を行うと、概算での見積となるため最終的な契約金額が大きく異なってしまうことがありますし、詳細の打合せや調査なしに契約を進めると後々になってトラブルにつながってしまうかもしれないので注意が必要です。

ただし、施工内容が把握できる図面や詳細な現場状況がわかる資料を提供できる場合は資料のみでも正確な見積もりが算出できますので、依頼する施工業社と良く打ち合わせをして間違いの無い見積書を提出してもらうことが重要です。また最近では新型コロナウィルス感染防止の重要性もあってZOOMなどのリモート打合せツールを利用した現場確認を行うことも可能になっていますので、利用の可否を施工業社に相談してみると良いでしょう。

また、現地調査を行った上でその環境に最適なエアコンを「提案」してくれるかどうかも、業者を選定する際のポイントとなります。

(3)フロンガスを回収してくれるか

業務用エアコンを入れ換える際のポイントとして、「フロンガス回収に対応しているか」も重要なポイントです。エアコンにおけるフロンガスは空気中の熱を運ぶ役割を担っていますが、環境負荷も高いためエアコンの廃棄時にはフロンガスも同様に回収・廃棄する必要があると、環境省の「フロン回収・破壊法」によって定められています。もしも正しい手順で回収・廃棄せずに外気に放出してしまった場合には依頼主の責任となり、1年以下の懲役または50万円以下の罰金(フロン排出抑制法 第103条)が課せられることになってしまいます。正統な業者であればフロンガス回収作業も見積もり表に記載していますが、念のため対応をしているかどうかは事前に確認するようにしましょう。

(4)保証内容や契約内容が明確になっているか

見積を依頼した施工業者との契約内容がどのようになっているかは施工業者を選ぶ際には重要になってきます。例えば反社条項や契約の解除条項が明記されている、万が一故障した際の保証内容などが明確になっている、契約約款をしっかり明示しているといったように、保証内容や契約内容を明らかにしている施工業者を選ぶようにしましょう。

このコラムで紹介したように、業務用エアコンは複数の視点から選んでいくことが必要です。ただし業務用エアコンは専門性の高い機械であるため、少しでも迷ったら専門家に相談することをオススメします。空調エキスパートもそうですが、しっかりとした専門家に相談できれば、お近くの優れた業者を紹介してくれることも可能ですので、遠慮せずに連絡を取ってみるといいでしょう。

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